おいしいものがあると、ついつい大好きな猫にも分けてあげたくなりますよね。
でも待ってください。実は、猫が食べてはいけない食べ物は意外と多いのです。
猫が食べると危険な、身近の代表的な食品
たまねぎ
タマネギにはアリルプロピルジスルファイドという猫に有害な成分が含まれています。
猫が摂取すると赤血球を破壊される「溶血性貧血」という症状を引き起こしてしまいます。
生食、加熱調理、タマネギエキス、脱水などあらゆる状態で口にさせないようにしましょう。
一度に大量に食べても定期的に少量ずつ食べても、タマネギ中毒になる可能性があります。
タマネギのほか、タマネギの5倍といわれるニンニクやニラも、健康に大きな影響を与え、生命を脅かす可能性があります。
一部の野菜やハーブ
タマネギ以外にも、ニンニク、ネギ、エシャロット、チャイブは猫にとって特に有害で、胃腸障害や赤血球の損傷を引き起こすこともあります。
ガーリック・ブレッドなど、これらの野菜やハーブを含む食品も避けた方がよいでしょう。
イカ
猫にとって、生のイカの摂取はビタミンB1欠乏症を引き起こすことがあります。
その場合、腰がふらついて歩行困難になることがあります。
また、加熱したイカも、基本的には消化があまりよくないので、嘔吐や下痢を起こす場合があります。
お酒類、アルコール入り食品
ビール、酒、ワイン、アルコールを含む食品 — どれも愛猫にはよくありません。
アルコールを含む飲み物や食べ物は、ペットに嘔吐、下痢、呼吸困難、昏睡、死亡などの深刻な問題を引き起こす可能性があります。
アルコール度数が高ければ高いほど、症状は悪化します。
牛乳、乳製品
多くの猫は乳糖不耐症で、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)を適切に処理できないため、猫に乳製品を与えると消化不良を起こす可能性があります。
最も安全な方法は、乳製品を完全に避けることですが、乳糖を含まない代替品がおやつとして許容できるかどうか、獣医に尋ねてみるのもよいでしょう。
ココナッツミルク
新鮮なココナッツミルクと果肉は、ペットの消化器系の問題を引き起こす可能性がありますが、少量であれば深刻な被害をもたらす可能性はありません。
ココナッツウォーターにはカリウムが多く含まれているため、ペットには安全ではありませんが、ココナッツオイルは猫の皮膚のトラブルに役立つことがあります。
猫の食事に取り入れたりする前に、獣医に相談してください。
イーストを含むパン生地
イーストを使用したパン生地は、猫の消化器官にガスを蓄積させる可能性があります。
その結果、お腹が膨らんだり、ねじれたりすることもあり、致命的な状態になる可能性があります。
さらに、イースト菌は副産物としてアルコールを生成しますが、これにも問題があります。
ただし、焼いたパンは、健康な猫には安全だとされています。
チョコレート
チョコレートは猫にとって致命的なものです。
ほとんどの猫は自分では食べませんが、飼い主などがおやつをあげているつもりで知らずに与えてしまうことがあります。
チョコレートに含まれる毒性物質はテオブロミンで、ホワイトチョコレートも含め、あらゆる種類のチョコレートに含まれています。
しかし、最も危険なのは、ダーク・チョコレートと無糖のベーキング・チョコレートです。
チョコレートを食べると、心拍の異常、震え、発作を起こし、死に至ることがあります。
カフェイン飲料
カフェインは、お茶やコーヒー(豆や粉も含む)のほか、ココア、チョコレート、コーラ、レッドブル、栄養ドリンクなどの刺激性飲料にも含まれます。
また、風邪薬や鎮痛剤にも含まれています。
カフェインは大量に摂取すると、猫にとって致命的で、解毒剤はありません。
カフェイン中毒の症状としては、落ち着きがなくなる、呼吸が速くなる、動悸がする、筋肉が震える、などがあります。
人が飲み残したものやテーブルにこぼしたものを放置して、愛猫が舐めてしまうなど事故を起こさないようにしましょう。
ナッツ類
マカダミアナッツはペットに毒性があり、ブドウと同様、毒性の正確なメカニズムは不明です。
アーモンド、ピーカン、クルミなど、その他の種類のナッツは、消化不良や膵炎を引き起こす可能性のある油脂を豊富に含んでいます。
柑橘類
レモン、ライム、オレンジ、クレメンタイン、グレープフルーツなどの柑橘類には、猫に問題を引き起こす可能性のあるクエン酸やエッセンシャルオイルが含まれています。
茎、葉、皮、実、種はすべて避けなければなりません。
少量であればお腹を壊す程度で済みそうですが、大量に摂取すると下痢や嘔吐、中枢神経系の抑制につながる可能性があります。
食材のまま与えると危険なことも。見落としやすい生の食品
キャットフードなどにも含まれる猫の食生活に重要なたんぱく源も、生のまま与えることは推奨されない場合があります。
生卵
生卵は、サルモネラ菌や大腸菌に汚染されている可能性があります。
感染の兆候としては、嘔吐、下痢、発熱などがあります。
日本では卵は生食用に管理されているので、病原菌に感染している可能性は低くなりますが、殻に病原菌が付着していることはあります。
これらの病原菌は熱に弱く、加熱すれば死滅するので火を通して与えましょう。
人間用の加工食品を日常的に猫に与えない
調理する前の純粋な「素材」だと思っていても、人間用に加工された食品は調味料や多量の塩分が含まれている事が多くあります。
日常的に摂取すると塩分の過剰摂取が進み、腎臓病を引き起こす原因となります。
日常的に猫のフードとして与えるのは推奨されません。
ソーセージやハム、サラダチキンをはじめとした加工肉
ハムやウィンナー、サラダチキンなどには人間用に濃い目に味付けされており、塩分の過剰摂取になりやすくなります。
また、ウィンナーなどは、高カロリーで添加物や香辛料も多く含まれています。
カロリーの摂りすぎによる肥満につながりやすくなりますし、多分に含まれる香辛料は胃や腸を刺激し、嘔吐や下痢の症状を引き起こす可能性もあります。
また人間用には問題なくとも、ペットフード安全法によりペットフードに使用を禁止されている酸化防止剤などの食品添加物が含まれる場合があります。
かまぼこ、カニカマなどの練り物
魚肉ソーセージ、カニカマ、つくね、かまぼこ、ちくわなど、さまざまな練り物が市販されており、おすそ分けしたくなることもあるかもしれません。
しかし、やはりこれらも人間用に塩分濃度を調整されているものなので、日常的に与えるのは控えるようにしましょう。
人間用の食品に含まれる、猫には過剰な塩分について
塩は何気ないもののように思えますが、ペットによっては本当に危険なものです。
日常的に市販されている加工食品も、人が塩味を感じなくてもたいてい塩分が含まれており、与えてしまうと猫にとっては過剰な塩分量となることが多いので注意が必要です。
人間と同じように、塩分は猫にも必要なミネラルですが、摂り過ぎると体内の電解質のバランスが崩れ、細胞の誤作動を引き起こす可能性があるのです。
特に猫は腎臓病や尿路結石といった泌尿器系の病気が多いため、塩分の摂りすぎは体に悪影響を及ぼしてしまいます。
そのためペット・ポイズン・ヘルプラインは、塩を猫(と犬)にとって「中等度から重度」の毒素に分類しています。
猫に安全な塩分量は?
猫にとって1日に41mg以上の塩分を摂取することは毒とされています。
測定するのは難しいので、もし猫が安全な塩分量以上の塩分を摂取してしまったと心配になったら、すぐに獣医さんに連絡して、緊急のアドバイスをもらってください。
人間用の食材に含まれる香辛料について
加工食品には、コショウ、ナツメグ、シナモン、コリアンダー、ショウガなど、様々な香辛料が生臭さを消したり、香りをつけるために含まれていることがあります。
香辛料は人間にとってはおいしく食べるために頻繁に使われる害のないものですが、植物を原料とする刺激性物質で猫が食べてはいけない成分となります。
猫が香辛料を大量に口にしてしまうと、胃腸に大きな負担がかかってしまいます。
また、一部の香辛料に含まれる有機化合物は、猫の肝臓では代謝できないものがあり、中毒症状を引き起こすおそれがあります。
猫が食べてはいけないものを食べてしまったら
どんなに気をつけていても、猫が食べてはいけないものを見つけて飲み込んでしまう可能性はあります。
あなたの猫が毒物リストにある食品を食べたことを知っている、または疑わしい場合は、できるだけ早く動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従いましょう。
猫が病気の兆候を示すまで助けを求める必要はありません。
問題や潜在的な問題は、早ければ早いほどよいのです。
ありがたいことに、食物が原因の中毒症状を起こした猫を見ることはほとんどないそうです。
一般的には、冒険好きで食べ物に無頓着な犬の方が問題だと言われています。
猫も新しいものを食べることに抵抗があるように、飼い主も猫に食べさせるものに気を配る必要があります。
愛猫の食事を変える前に、どの食材が安全か、どの程度の量なら食べても大丈夫か、獣医師に相談してみましょう。
どんな質問(おやつ)でも、相談することは小さいことではありません。