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猫が快適でストレスのない部屋づくりのポイント
完全室内飼育で、愛猫が快適に過ごせる環境には7つのポイントがあります。
猫は環境の変化にとても敏感で、かつとてもきれい好き、そして臆病です。
猫のニーズに答えられるお部屋を作って、ストレスなく過ごせるようにしてあげましょう。
猫が過ごしやすいお部屋とは_7つのポイント
猫が過ごしやすい部屋のポイントは、以下の7点です。
①高低差のある生活空間にする
②爪をとげる場所を作る
③外を眺められる場所をつくる
④水飲み場は2カ所以上設置
⑤トイレを2カ所以上設置
⑥猫の隠れ家をつくる
⑦部屋の温度・湿度管理をしっかりと
では、それぞれのポイントについて、具体的に見ていきましょう。
1、高低差のある生活空間にする

猫は高い所から生活空間を見渡せることが安心につながります。
階段状の本棚など、猫が移動しやすい高低差を家具などで作って、上下の移動ができる生活環境を整えてあげましょう。
あまりちょうどいい家具がない場合などは、キャットタワーやキャットウォークの設置を検討してあげられるといいでしょう
2、爪をとげる場所をつくる

伸びた爪を削るため、なわばりを主張するため、猫は頻繁に爪とぎを行います。
飼い主さんの方で何もしなければ、猫はソファや家具など、とぎやすい場所を探してあちこちに爪を立ててしまいます。
専用の爪とぎを何カ所か置いてあげましょう。
お気に入りの場所ができれば、そこでしか爪とぎをしなくなっていきます。
最近のキャットタワーなどは、柱部分が爪とぎになっていたりするので、追加で買う必要がなく便利です。
3、外を眺められる場所をつくる

猫は鳥や車など、動くものを目で追うのが好きです。
窓から外を眺められると適度な刺激にもなるので、窓のそばに外を眺められてくつろげる場所を用意してあげましょう。
広めの窓のサンがあればそれで、なければちょうどいい高さの家具やキャットウォークを窓のそばに設置してあげるといいでしょう。
4、トイレを2カ所以上に設置

猫用トイレは、『猫の頭数 +1』の数を設置できるのが理想です。
1匹ならトイレは2つ、2匹ならトイレは3つという具合です。
猫は清潔な場所
お気に入りが完全に一つだけと分かったら、もう片方は撤去しても問題ありません。
猫用の全自動トイレなど、常に清潔に保てる場合も一つでだいじょうぶです。
設置場所は、猫が落ち着いて排泄できるよう、人の出入りの少ない静かな場所に設置しましょう。
適した場所 :部屋の隅、家具の間など
適さない場所:廊下、扉の近く、玄関前など
また猫は、ご飯を食べる場所や寝る場所の近くでトイレをするのを本能的にいやがります。
トイレはエサ場、水飲み場、寝床とは離れた場所に置いてあげましょう。
5、水飲み場は2カ所以上に設置

猫はあまり水を飲んでくれないので、設置場所を増やして、積極的に水を飲むように導きましょう。
猫は流れる水を好む習性がある
あまり水を飲まない猫も、蛇口をひねるとそこから飲もうとします。
これは野生の本能で、水たまりの水などよりも、川や沢などの流れている水の方が清潔であると認識しているためと言われています。
そのため、流れるタイプの給水器を設置するなどの検討もとても効果的です。
冷たすぎる水は、温めてあげることも大事
実は寒い時期にも、猫は脱水症の危険があります。
猫は周りが寒いと体温維持のため、冷たい水を飲まなくなることが原因です。
ぬるま湯程度に温めてくれる給水機や、ウェットフードからの水分補給も検討しましょう。
6、猫の隠れ家をつくる

突然大きな音がした時や、宅配や来客のように知らない人が来た時など、猫が驚いた時に避難できる場所を用意してあげましょう。
猫はホームパーティーが苦手です。
せまくて暗い場所だとベストです。
7、部屋の温度・湿度管理をしっかりと

毛の長さなどにもよりますが、猫に適した室温は一般的に25~30度とされています。
エアコンを嫌がる猫も多いですが、日本の夏は酷暑なので、使わないのは危険です。
直風が当たらないように工夫しながら、エアコンともうまく付き合っていきましょう。
夏の暑さにはエアコンを
猫は比較的暑さに強いとされますが、それでも30度を超える日本の夏は、猫にもきびしいです。温度設定は28度を目安にしましょう。
人感センサー付きエアコンは、飼い主が外出したあと猫や犬を感知せずに「人がいない」と判断して、止まってしまうこともあるので注意しましょう。
冬の寒さ対策にはホットカーペットや遠赤外線ヒーターも
空調を使っても冷たい空気は下の方に溜まりやすく、猫がおもに生活している床に近い場所は、人間の体感よりも寒くなっていることが多いです。
エアコンだけだと猫が寒いので、毛布や猫用かまくら、ホットカーペットや遠赤外線ヒーターなども併用してあげましょう。
ホットカーペットやヒーターは、長時間おなじ姿勢、おなじ場所で動かない猫などは、低温やけどにも注意してあげて、たまに体位を変える、距離を離すなどしてあげてください。
また、毛が濡れたままだと、そこが高温になりやけどしてしまうこともあるので、お風呂上りでしっかり乾かせているかや、トイレ後で尿が付いてしまっていないかなど、チェックしてあげてください。
猫がせきをし始めたら加湿をする
空気が乾燥してくると、猫がせきをし始めることがあります。
ぜんそくなど、気管支の弱い猫もいるので蒸気ミストで加湿してあげてください。
部屋の湿度は50%以上を維持できると理想です。
それでも猫のせきが改善しない場合は、ぜんそくや気管支の病気の可能性があります。
どうぶつ病院で早めに受診しましょう。
猫の事故を防ぐ飼育環境づくり
猫が誤飲する危険のあるものは片づる

ひも、アクセサリー、小さなおもちゃ
異物誤飲は、危険なものや大きなものになってくると手術で取り出すしかなくなります。
異物誤飲の多い例
・壊れたおもちゃの一部(ネズミのおもちゃや猫じゃらしの先など)
→壊れ始めたおもちゃは早めに処分しましょう
口にしやすい小さなおもちゃは与えないようにしましょう。
・ひも状のもの(毛糸、靴ひも、フードひもなど)
→服についているフードひもは、はじめから外しておいた方がいいかもしれません。
・たばこ
→猫のいる環境では吸わない、置かないが理想です。
・医薬品、錠剤のシートなど
→落としたらすぐ拾いましょう。
飲むときなど、出したまま目を離さないようにしましょう。
・ティッシュ、サランラップ、ビニール袋
・ヘアゴム、ピアス
・観葉植物
→猫に有害なものもあるので、飾る部屋などを変えましょう。
・タマネギやブドウ、食材類
→人用の食べ物は冷蔵庫や棚の中にしまっておきましょう
・ウレタンマットの破片(嚙みちぎったりなど)
・ほつれた毛玉(靴下、服などのほつれ)
猫がぶつかって倒れるもの、落ちるものは撤去する

猫の品種や性格によっても、ものにイタズラする猫、ぶつかって落とす猫、きれいに避けてくれる猫などさまざまです。
ただ、棚の上など高いところには、落ちやすいものや危険なものは極力置かないようにしましょう。転倒防止や落下防止のグッズも出ています。
普段だいじょうぶでも、パニックになった時にぶつかってしまう場合や、地震で落ちてくる場合ので、あまり楽観視はしないようにしましょう。
極力なくしたい、猫に危険なもの
・ガラス製や、陶器・磁器などの割れやすいもの
・誤飲の可能性のある小さな物
・触ると危険な、尖ったものや鋭利なもの
など
コード類は極力なくし、カバーを付ける

コード類が多い環境で、猫が噛んだり引っ掻いたりすると大惨事です。
家電がショートしたり、火災に繋がるおそれもあります。
猫も感電したり、絡まって首が締まる、コードを引っ張って家電を倒すなど、さまざまな事故の原因になります。
極力コード類を飼育環境からなくし、必要な場合はコードカバーなどで触れないようにしましょう。
定期的に猫用の道具をメンテナンスする
猫が使うおもちゃや道具は定期的にメンテナンスして、壊れ始めたものは交換しましょう。
長く大切に使うことも大事なのですが、古くなったり壊れ始めたものをそのまま使っていると猫に危険なことがあるので、定期的に確認が必要です。
食器、トイレ
汚れがこびりついて不潔になっていないか(衛生面)
ヒビ割れたり、壊れ始めてないか(ケガの危険)
お気に入りの毛布
ほつれや糸が出ていないか(誤飲の可能性)
舐めたりしゃぶっている場合、カビが出てないか(衛生面)
キャットタワー、キャリーケース
ゆるんでグラついてないか(落下の危険)
割れたり、金属の飛び出している箇所はないか(ケガの危険)
首輪、首輪の留め具
サイズがキツくなって、首に食い込んでないか
経年劣化していないか(特に金属部分など)