マンチカンってどんな猫?特徴や性格、飼い方まで徹底解説【品種図鑑】

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マンチカン 

英語表記:munchkin

起源  :イングランド(イギリス)

毛の長さ:短毛種、長毛種とも存在

主な毛色:ほぼすべての毛色が存在(100種以上)

主な毛柄:交配した品種や発現した特徴によって変わる

体の特徴:ドワーフキャット(短足)

主な体形:セミフォーリンタイプ

主な性格:社交的で遊び好き

平均体重:3.0~4.0kg

平均寿命:13~15年

公認団体: TICA

派生種 :ミヌエット、キンカロー、ジェネッタなど

備考  :

マンチカンギャラリー

マンチカンの画像

マンチカンの動画

 

マンチカンの歴史と起源

突然変異で生まれた短足猫

マンチカンは、遺伝子の突然変異によって誕生した猫種です。

1944年のイギリス、1956年のロシア、1970年のニューイングランド、1980年代のルイジアナなど、歴史の中で短足猫の報告がなされています。

1983年に野良猫として発見されたブラックベリーという猫が、マンチカンという品種の母猫です。彼女とオスの子猫の一匹であるトゥールーズは、家猫とのアウトクロスが行われました。現在でも、多様な遺伝子プールを確保するために、家庭用短毛種や長毛種との交配が認められています。

近年公認されたばかりの新品種

1994年からは、国際猫学会の新種育成プログラムにおいて、遺伝学委員会がマンチカンの育成を担当することになりました。マンチカンの短足は、コーギーやダックスフンドと同じように優性遺伝であることが判明したのです。

2003年、この犬種は国際猫協会(The International Cat Association)によって正式に公認されました。

CFA(Cat Fanciers’ Associationの略。世界最大の猫種公認団体)はマンチカンを公認していません。

マンチカンの見た目の特徴

最大の特徴はドワーフキャット(短足猫)であること

 

マンチカンの見た目の最大の特徴は、その足の短さです。
その短足な見た目から、小人の猫「ドワーフキャット」と呼ばれます。

 

とても短足なマンチカンと、それよりは若干足が長い、足長マンチカンがいます。

この足長マンチカンというのは、通常(短足)のマンチカンに比べて足が長いだけで、通常猫ほど長いわけではなく、正確には「中足」とも呼ばれる長さです。

 

短足でもすばやく走れる

マンチカンは短い足にもかかわらず、フェレットのように速く走り、全速力でコーナーを曲がります。

視界を確保するために、プレーリードッグのように腰を上げることもあります。

ジャンプは苦手

猫の柱やカーテンに登るのは、他の猫と同じようにできます。

しかし、後ろ足が短いため、あまり高くは飛べません。

マンチカンは、ほとんどのベッド、椅子、ソファに飛び乗ることができますが、机を狙う前に椅子や他の低いものに飛び乗るという、景色の良いルートを取ることもあります。

 

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ドワーフキャット wiki

ドワーフ猫は、遺伝的変異のために小人症の状態にある飼い猫です。通常の比率の小さめの猫とは異なり、小人の猫は骨軟骨異形成の症状を示します-骨や軟骨の遺伝的障害であり、通常は著しく短い脚として現れます。 20世紀半ば以降、小人症が埋め込まれた猫の品種が開発され、販売されています。

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マンチカンの毛色

マンチカンは様々な種類の家猫に交配される可能性があるため、毛色は、その交配した品種からの遺伝によって変わってきます。

そのため、マンチカンの毛色はほぼすべての猫種の毛色が発現する可能性をもっており、公式にもほぼすべてのカラーが容認されている品種となります。

 

マンチカンの短毛種と長毛種

短毛か長毛かは、掛け合わせた品種とその発現で変わってきますので

 

短毛種の被毛は密生しており、柔らかな質感を持ちます。

長毛種の被毛はミディアムからロングで、ブリッチ(太もも上部の長い被毛)、足指のタフト、プラム状の尾、耳のタフトが特徴です。また、首の周りにラフがある場合もあります。

セミフォーリンというずっしりした体形

マンチカンの体型

マンチカンの体は頭部に丸みがあり、ボディは意外に筋肉質なずっしり体型です。

このようなオリエンタルとコビーのちょうど中間の体型をセミフォーリンと呼びます。

猫の体形各種 ※画像付きで

 フォーリン

 セミフォーリン

 コビー

 セミコビー

 オリエンタル

 ロング&サブスタンシャル

カンガルーキャットと呼ばれる立ち姿

マンチカンは、すばやく走ったり追いかけたり、おもちゃで遊んぶ姿が、短足で体が長く見える見た目と合わせて、「フェレットのよう」と表現されることがあります。

また、ウサギのように後ろ足で座る姿が愛らしく、この特徴からカンガルー・キャットと呼ばれることもあります。

マンチカンから派生した猫種

ミヌエット(マンチカン×ペルシャの交配)

ミヌエットの体型

マンチカンの短足の特徴(ドワーフキャット)を持ったまま、ペルシャの気品ある長毛を備えた猫種です。
ミヌエットを詳しく見る>

キンカロー(マンチカン×アメリカンカールの交配)

キンカローの全身
マンチカンとアメリカンカールを交配してるため、別名マンチカールなどとも呼ばれています。
それぞれの猫の見た目の特徴を受け継ぎ、短い脚にカールした耳を持っています。
キンカローを詳しく見る>

ジェネッタ(マンチカン×ベンガルの交配)

ジェネッタ全身
ジャコウネコ科のアフリカンジェネットという肉食動物に似せて交配された品種で、2006年に認定されたばかりの猫です。
ジェネッタを詳しく見る>

マンチカンのサイズ

マンチカンは全体的にコンパクトな体型の中型猫です。

体重としては平均3.0~4.0kgで、オスの方がメスより体格が大きい傾向にあります。

多くの猫は、平均より小さかったり大きかったりします。

マンチカンの性格

マンチカンファンの間では、愛情深く、社交的で、遊び好きと評されています。

活発であそび好き

見た目に反して活発に走り回る元気な猫です。

エネルギーにあふれ、見た目よりもスピードがあり、機敏です。

車高の低いスポーツカーを想像していただければ、イメージしやすいでしょう。

かまわれるのが好きな、外向的な猫

人懐っこいマンチカンは、子どもや他の猫や犬と一緒に遊ぶのが好きです。

まれに、動いていないときに後ろ足で座り込んで、何か面白いものを覗き見している姿を見ることがあります。

高いビルを一気に飛び越えるような猫ではありませんが、その気になれば高いところへ行くことは可能です。ただ、少し時間がかかるだけなのです。

かしこく、よく覚える

マンチカンは高い知能を持っています。

芸を教えたり、パズルのようなおもちゃを与えて、操作できるようになったら、餌やおやつをあげるなどして、頭脳に挑戦させてあげましょう。

マンチカンの値段

マンチカンの相場価格はおよそ7万円~50万円と、大きな幅があります。

価格変動の要因としては、成長度合い(子猫の方が高い)や、血統の良さ(血統書の有無)、短足度合い、毛色、両親の美しさ(ショータイプか)などさまざまな要因で変わります。

 

マンチカンを飼いたい方は、その最大の特徴である短足に魅力を感じる方も多いので、あまり短足ではない子は安くなる傾向があります。

また、生後4ヶ月以上たっている子猫やそれ以上の成猫にすでに育っている、血統書がない、病気を持っているなどが価格が下がりやすい要因となっています。

マンチカンの交配、繁殖

マンチカン同士では交配せず、他の猫種と交配させる

マンチカンの短足を生み出す遺伝子は常染色体優性遺伝、つまり性連鎖がないので、片親だけ短足でも両親とも短足でも、受け継いで短足が発現します。

しかし、この遺伝子が両親から受け継がれると致死的となり、受精卵は子宮の中で死んでしまいます。

そのため、マンチカン同士では交配は行わず、通常の飼い猫としか交配させません。

 

マンチカンと家猫の交配は、マンチカンである確率とそうでない確率が半々になります。

マンチカンになった子だけが、その遺伝子を受け継ぐのです。

 

品種標準では、許容される交配は、公認品種の一員でない家庭用長毛猫または短毛猫であるとされています。マンチカンと公認品種の交配では、短足種が生まれます。

例えば、スコティッシュフォールドとの交配は、スコティッシュキルトと呼ばれます。

 

マンチカンはその異常な突然変異のために、品種として認めることが倫理的に正しいかどうか、議論が続いています。反対派は、猫の健康に悪い影響を与える可能性のある遺伝子変異を促進すべきではないと言います。

 

賛成派は、マンチカンはこの品種特有の健康上の問題はないようで、猫は短い足で充実した生活を送っているようだと証拠を示しています。

また、他の猫種も同様に、遺伝子の突然変異と近親交配に基づいており、その中には犬種特有の健康状態になりやすいものがあると主張することもできます。

飼い方)マンチカンに必要な生活環境

高い空間は必要ないので、床を広くとって

通常の猫はキャットタワーのような高低差の大きい環境を必要としますが、マンチカンは素の短足な体型ゆえにジャンプが苦手なので、あまり高い環境は必要ありません。

 

それでも、ジャンプしたり登ったりするので、キャットツリーを用意してあげると、安全に新しい高さに到達できます。

好奇心旺盛で活発な猫なので、インタラクティブな猫用おもちゃを用意し、毎日猫と一緒に遊ぶ時間を作ってあげましょう。

 

走り回ることも好きなので、動き回れるように、床の上は片づけて広めに空間を作ってあげるといいでしょう。

 

飼い方)マンチカンに必要な日常のお世話

マンチカンのグルーミングの基本

マンチカンの被毛は手入れがしやすい被毛です。

短毛のマンチカンの場合は、週に1回のブラッシングで十分です。

長毛のマンチカンは週に2回、ブラッシングまたはコーミングをして、毛玉やもつれを防ぎましょう。

 

その他に必要なグルーミングは、定期的な爪切りと、耳が汚れているようであれば耳掃除だけです。獣医師が推奨する優しい洗浄剤を使用してください。

全身の健康とさわやかな息のために、獣医師が認めたペット用歯磨き粉で頻繁に歯を磨きます。

 

ブラッシング、爪切り、歯磨きは、猫がまだ子猫のときに始めると、後にこれらの行為を受け入れてくれるようになります。

 

飼い方)マンチカンにおすすめのキャットフード

マンチカンの猫には、他の家庭用猫と同じような食事を与えてください。

マンチカン専用の調整はほぼ必要ありません。

 

マンチカンは中型の猫で、体重や体格は短足であることに大きな影響を受けません。

ウェットフードの食事がベストとされることが多いですが、猫がおやつに食べるドライフードも残しておくとよいでしょう。

 

特に糖尿病や肥満の猫、高齢の猫の場合は、かかりつけの獣医師とよく相談してください。

また新鮮で清潔な水をいつでも飲めるようにしてください。

 

飼い方)マンチカンの健康面、掛かりやすい病気

 

マンチカンの短い足は、人間の選択的な繁殖ではなく、自然に発生した遺伝子によるものです。この猫種の短足は、犬のダックスフントやウェルシュ・コーギーの小柄な体格と同じ遺伝子だと言われています。

しかし、猫の背骨は犬のそれとは物理的に異なるため、マンチカンはこれらの犬に見られる背骨の病気や症状の問題に悩まされることはありません。

 

ダックスフント、ウェルシュコーギーのヘルニア問題

ダックスフントは軟骨異栄養性犬種と呼ばれる犬種です。

この種の特徴として、若いうちから背骨(椎間板)の変性が進行し、弾力性を失った軟骨はダメージを受けやすくなるため、椎間板ヘルニアを起こしやすくなると考えられています。

 

高齢のマンチカンを対象とした調査では、短足に起因する疾患や構造的な問題の可能性は見つかっていません。

獣医師から推奨される予防接種や予防医療を受ければ、通常の寿命が期待できます。

家猫にありがちなことですが、マンチカンはこんな疾患を持っている可能性があります。

 

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