コラットってどんな猫?特徴や性格、飼い方まで徹底解説【品種図鑑】

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コラット

英語表記:Korat

起源  :タイ

毛の長さ:短毛種

主な毛色:ブルー/グレー

主な毛柄:ソリッド

主な被毛:シングルコート

主な体形:セミコビータイプ

主な性格:活発で遊び好き、愛情深く社交的

主な瞳色:ペリドット・グリーンまたはアンバー

平均体重:2.5~5kg(オスー~5kg、メスー~3kg)

平均寿命:10~15年

公認団体:CFA、TICA、FIFe、GCCF

近縁種 :デボンレックス、ソマリ

コラットギャラリー

コラットの画像

コラットの動画

コラットの歴史と起源

地名を冠されたタイの国猫

コラットはタイのコラット地方にあるアンプルピマーイを起源とする猫で、現在ではタイの国猫として知られています。

コラットの歴史の記述

この猫種について最初に言及された文献は、タイのアユタヤ王朝時代(1350-1767)の猫に関する書物「猫の論文(Treatise on Cats)」です。

これにはコラットを含む17匹の「シ・サワット(タイ語で‟幸運を呼ぶ猫”という意味)」の記述が、コラットのイラストと共に掲載されています。

現代のコラットは何世紀も前に描かれたその古代の祖先に非常によく似ていて、現代のコラットはすべてタイにルーツを持つ家系です。

「滑らかな毛の先端は雲のごとく、付け根は銀のごとく、その瞳は蓮の葉においた露のように輝く」
アユタヤ王朝の詩集『サムット・コイ(Smud Khoi of Cats)』より

19世紀後半、イギリスでソリッドブルーの「シャム猫」が展示されましたが、これはおそらくコラットだったと言われています。

幸運をもたらす幸せの猫

現在でもタイでは、コラットを飼うことは幸運をもたらすと考えられており、伝統的にペアで飼われ、特に花嫁への結婚祝いとして贈られているとKTCA(Korat and Thai Cat Associationの略)は述べています。

実際20世紀半ばまで、コラットは売られることはなく贈答品としてのみ扱われていました。

アメリカにわたったコラット、ナラ・ダラ

アメリカに初めて渡ったコラットは、1959年にタイ政府からアメリカのブリーダー、ジーン・ジョンソンに贈られたナラ、ダラというペアです。

ジョンソン氏は、遺伝子プールを増やすためにコラットとシャム猫を交配し、その後シャム猫の特徴を除きました。

1960年代には東洋からさらに多くのコラットがアメリカに渡り、1966年にはCFA(Cat Fanciers’ Associationの略。猫種の公認団体の一つ)がこの品種を公式に認定しました。

現在ではアメリカのすべての猫種登録団体に認められていますが、コラットはまだ比較的珍しく、熱心なブリーダーやファンシャーのコミュニティーに限られています。

純血の古代種

古代からタイ土着の猫が、現代にいたるまでその姿をほとんど変えることなく、人為的な交配も非常に少ない状態で、美しい容姿を保ってきた「純血の古代種」で、奇跡的な品種と言われています。

コラットの発音

日本での記載や呼び方は「コラット」ですが、本来の名前の発音は「コラット(KO-rat)」ではなく、「コーラート(ko-RAHT)です。

コラットの見た目の特徴

「5つのハートを持つ猫」と呼ばれるコラット

コラットは「5つのハートを持つ猫」とも呼ばれます。

これは胸で鼓動するハート(心臓)に加え、正面から見ても、上から見ても、頭がバレンタインのハートの形に見える見た目が特徴的だからです。

また、鼻もハート型をしており、胸の筋肉が前肩の間にあることから、4つ目のハート型が確認できます。

コラットの瞳の色

ペリドット・グリーンまたはアンバーの輝く大きな目を持っています。

目の色は、完全に発達するまでは変動することがある。

コラットの毛色と模様

カラー :ブルー/グレー

パターン :ソリッド

コラットのカラーはシルバーチップブルーと呼ばれ、美しいブルーにシルバーチップの毛並みは、キラキラと光輪のように輝いて見えるとされています。

根元の明るい色は、毛幹に向かうにつれてブルーの色調を増し、先端はシルバーになります。マズルとつま先は特にこのシルバーのハイライトが映えます。

コラットの被毛

コラットの被毛は一重毛皮(シングルコート)です。

多くの猫は二重毛皮(ダブルコート)のため、ほかの猫に比べると抜け毛の量は少なくなります。

毛は体に密着しており、撫でたりしても毛が浮き出ることはありません。

冬毛から夏気に生え変わる時期だけ多めに抜け、それ以外は週に一度のブラッシングで済みます。

コラットはこの手入れをされるのが大好きです。

体型)セミコビーという、短足でずんぐりした体型

コラットの頭部はハート型で、鼻や顔にもハートがあります。

体型はセミコビーボディで、腰のあたりから細くなっています。

体重は意外と重く、その重量の大部分は体の前面、筋肉質で丸みを帯びた肩のあたりに乗っています。重く短い首が頭を支え、真横から見ると、肩幅が胸幅よりも広くなっています。

他のセミコビータイプの猫

・アメリカンワイヤーヘア

・シャルトリュー

など 

猫の体型各種 
 フォーリン
 セミフォーリン
 コビー
 セミコビー
 オリエンタル
 ロング&サブスタンシャル

コラットの近縁種

デボンレックス

ソマリ

コラットの成長とサイズ

この種の猫は身体的な発達がやや遅く、4歳くらいまで成長し続けます。

体重:2.5~5kg

体高:25~30cm

コラットの性格

愛情深く、かわいらしい猫であるコラットは、人間と強い絆で結ばれていますが、お気に入りの人を一人にすることもあります。

遊び好きですが、子供には驚くほど優しく接します。

非常に活発で遊び好き

コラットはとても活発な猫で、すぐに飽きてしまうのでたくさんの刺激と遊びが必要です。

また、十分な注意が必要で、何時間も一人きりにされると困ることもあります。

多くの場合、喜んでボール投げをしたり、膝の上でくつろいだりして、表情豊かに愛情を注ぎ、飼い主を強く信頼します。

攻撃的ではありませんが、馬乗りになることがあるので、爪の手入れはしておきましょう。

警戒心が強く、騒がしい家には向かない

しかし、大きな音に驚いて、「もう大丈夫」と思うまで姿を消してしまうので、騒がしい家庭にはあまり向いていません。

非常に賢く鋭い

視覚、聴覚、嗅覚が優れているため、コラットからおやつを隠すことは難しく、虫を逃がしたりすることもほとんどありません。

愛情深く社交的

とても愛情深く、時には声を出すこともあります。

コラットは多頭飼いでもうまくいきますが、コラット同士だとうまくいく傾向があります。

しかし、社交的でのんびりした性格のため、根気よく社会化と導入を行えば、他の猫や猫好きの犬とも仲良くすることができます。

どんな動物がいる場合でも、おもちゃは十分に用意してあげましょう。

年上の子どもや行儀の良い犬とも比較的仲良くできます。

寂しがり屋で長時間ひとりはきびしい

コラットは社交的な性格のため、長時間長い間ひとりでいることを好みません。

自宅で仕事をしていたり、複数のペットを飼っていたりする場合は問題ありませんが、コラットが1匹になると、分離不安や好ましくない行動を起こす可能性があります。

飼い方)コラットに必要な生活環境

おもちゃや遊べる環境が重要

遊びたいときに遊べるように、おもちゃを用意しておくことが大切です。

他の猫と同じように、コラットも爪を研ぐためのスクラッチポストや、登るためのキャットツリー、一日中鳥とおしゃべりできる窓辺のハンモックなどが大好きです。

環境には順応しやすい

住まいの広さや温度に関しては、コラットはかなり順応性の高い動物です。

食事の場所とウンチの場所さえわかっていれば、高層住宅でもワンルームマンションでも、どんな場所でも幸せに暮らせるのです。

※キャットタワー特集へのリンク

飼い方)コラットに必要な日常のお世話

簡単なブラッシング

コラットはシングルコートで、毛は短く、光沢があり、細いです。

週に2回のブラッシングで簡単に手入れができます。

冬毛が抜ける春は、より頻繁にブラッシングする必要があります。

通常の爪きりと耳そうじ

その他の手入れは、定期的な爪切りと、耳が汚れているようなら耳掃除だけです。

獣医師が推奨する優しい洗浄剤を使用してください。

全身の健康とさわやかな息のために、獣医師が認めたペット用歯磨き粉で頻繁に歯を磨きます。

子猫のうちから慣らすといい

ブラッシング、爪切り、歯磨きは、猫がまだ子猫のときに始めると、後にこれらの行為を受け入れてくれるようになります。

飼い方)コラットの健康面、掛かりやすい病気

約800年の歴史を持つ自然発生品種であるコラットは、健康状態はかなり良好だそうです。

ただし、コラットは一般的な猫の病気にかかりやすいこともあります。

他の猫と同じように、コラットは肥満や歯の病気にかかりやすいので注意が必要です。

高齢のコラットは、腎臓病や甲状腺機能亢進症にもかかりやすいと言われています。

胃腸が弱いコラットもいるので、頻繁に嘔吐や下痢をしないか注意してください。

このような猫には、胃腸が敏感なキャットフードを食べさせ、人間のテーブルフードや食事の急激な変化を避けることが効果的です。